ダンゴムシは比較的、わたしたちに身近な生き物ではないでしょうか。花壇の近くや鉢植えの下、草むしりのときなど、大半の人が見たこと、触ったことがあるのではないでしょうか。ダンゴムシはもともとは海の生き物だったこともあり、ジメジメと湿った場所を好みます。
しかし、GWが終わった直後の5月の初め、筆者の近所の川の堤防にはダンゴムシが大量にびっしりと出現していました。ダンゴムシがニガテではない筆者も少し恐ろしいと思うほどでした。そのときのことをふと思い出したのでダンゴムシの食事について調べてみました。
ダンゴムシは雑食の生き物です。果実や落ち葉や草の根、昆虫の死骸を食べています。さらには段ボールや新聞紙なども食べるようです。本当にいろいろなものを食べますね。
また、ダンゴムシの体の殻はカルシウムからできており、このカルシウムを摂取するためにコンクリートまでも食べるようです。おそらく河川敷の堤防に姿を見せていたダンゴムシはコンクリートを食べていたのだろうと思います。
このようにダンゴムシは生態系における「分解者」としての役割を果たしています。ここで分解者とは生物の死骸や排出物を分解し、有機物を無機物に戻す役割をする生き物です。ダンゴムシのほかには微生物(菌類・細菌類)やミミズ、モグラ、ウジなどが該当します。
ダンゴムシはおしりから水を飲みます。先ほど紹介した落ち葉などは口から食べるにもかかわらず、大量の水を飲むときには必ずおしりから飲むのです。一方でおしりから排泄をするため、この行動の謎は深まるばかりです。
一説ではダンゴムシがもともと海の生き物だったことが起因しているのではないかと考えられています。海で生活しているダンゴムシに近い仲間としてフナムシやグソクムシが挙げられます。とくにフナムシについて見てみると、この生き物はおしり近くにある足で海水を吸い上げ、えらに送って呼吸して生きています。
このような名残がダンゴムシにも残っていて、彼らは何も疑うことなく、おしりから水を飲んでいるのではないかと考えられています。
ダンゴムシの意外な生態に驚きました。コンクリートを食べ、おしりから水を飲む過激的な生き物とは知りませんでした。河川敷で会うダンゴムシが少しだけ楽しみになりました。(1541文字)
るるぶKidsライター
森林・林業学習館
今泉忠明 監修 「おもしろい!進化の不思議 続ざんねんないきもの事典」