永井祐さんの短歌をご存じですか。今回は彼の詩集「広い世界と2や8や7」からヤギばかの句を紹介します。彼のこの句から筆者は短歌にハマりました。
今日紹介する短歌はこちら。
「ヤギ ばか」で 検索すると 崖にいる ヤギの画像が たくさん出てくる
一見クスッと来る短歌でした。平地で住めば楽なのに、わざわざ険しい環境に身を置くヤギたちの姿。
しかし実際問題、崖はヤギ自身の爪を生かすことができ、かつ天敵の接近を見通すことができる地なのです。彼らなりの事情や生存政略があるにも限らず、たまに私たち人間はこういった”蔑み”をしてしまうことがあるように思います。
ニュースを見たときや失敗をした人間を、自分の価値観に落とし込んで批判して批評する。とくにネットリテラシーのような言葉が叫ばれるようになって久しいこともこの短歌からは思い出されます。
最近読んだ小説の「流浪の月」もこの種の偏見が登場します。人間生きていてなかなか自分のバイアスから逃れることができません。人からの差別、偏見にさらされたことがない人なんていません。それにも関わらず、人はそれを別の人にしてしまいます。
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社会人一年目になって、痛いほど身に沁みます。少し現代は忙しすぎるように思います。永井祐さんの短歌は約31文字で、私の忘れたくないことを思い出させてくれる力を秘めています。このことを忘れないでいるような人間でありたいと思います。
では「ムート ばか」で検索するとどんな画像が出てくるでしょうか。
会社の上司に愛想笑いする画像が出てくるでしょうか。それともYouTubeを見る自分でしょうか。考え始めると少し恐ろしいような気がしてきます、自分が大切にしたいことや覚えていたいことは何か。自分の軸を見直すいい機会を与えてくれます。
みなさんも「○○(自分の名前) ばか」で検索するとどんな画像が出てくるか想像してみると面白いかもしれません。
今日は永井祐さんの短歌を紹介しました。日常の気付きや日常の些細なことを切り取ってくる仕事ぶりにいつも感心させられます。私も日常のキラキラを見逃さない人間でありたいです。
(1074文字)
永井祐 著 「広い世界と2や8や7」
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私の過去記事です。今回の記事はこの記事の続編のようなものを書いてみました。