超硬合金中の微視的な組織欠陥の寸法と位置が合金強さを律する。
そのため欠陥の種類とその発生機構が分かり、かつ、その欠陥の発生を抑えることができれば高強度超硬合金が得られる。このように欠陥処理した合金を欠陥処理超硬合金という。
以下主な欠陥の種類をまとめる。
- ミクロポア(<120μm)
- 粗粒WC粒(異常成長粒子)
- 添加炭化物の晶出相
- Coプール
結合相量10%以下のとき生じやすい。また昇温の還元・脱ガスが不十分で液相出現後にも還元反応が起きる場合にも発生する。
系の収縮に伴って生じるポアが、マトリックスの耐力が大きいことが原因で収縮できないときにも生じる。すなわち2γ/ r< σ0のときに生じる。(γ:界面張力、r:ポア半径、σ0:マトリックスの耐力)
※2γ/ r< σ0はヤングラプラスの式(ポアを球状と仮定)
ヤングラプラスの式とは、、、曲率を持つ気相液相の界面において二相間の圧力差と界面の曲率を関連付ける方程式。以下の式で記述される。