ジャングル最強の生物、黒い悪魔をご存じですか。その正体はアリです。小さな小さなアリです。中央アメリカ・コスタリカで撮影されたグンタイアリは恐ろしいほど凶暴な生物で、黒いじゅうたんかと見紛うほどの数がびっしり存在します。
自分よりも何倍も大きなキリギリスやスズメバチの巣、毒蛇をも襲います。中南米のジャングルでは最強の生物と言えるでしょう。
名前:グンタイアリ
分類:昆虫類
生息地:北・南アメリカ、アジア
大きさ:体長1.5cm(働きアリ)
特徴:
クワガタのような大きな牙とお尻にはサソリを倒すほどの毒を持ちます。
グンタイアリの巣は自身の体用いており、お互いが密着することで作成します。(動画参照)
グンタイアリは2週間ごとに移動と定住を繰り返します。その理由は以下の2点です。
- グンタイアリの蛹は2週間ほどで移動に耐えられるだけ丈夫になるため。
- グンタイアリが1か所にとどまってしまうと生き物をすべて食べ尽くしてしまうため。
森のバランスを保つためにもグンタイアリは移動をしています。
また、群れには繁殖をする女王アリと王が一匹ずつ存在し、他は全て働きアリとなっています。ひと月におよそ400万個も卵を産むといわれています。
上述のようにグンタイアリは、決まった巣を持たず集団で歩きながら暮らしています。バラバラにならず行進できるのは、においのおかげです。後ろのアリは前のアリが出すにおい(フェロモン)をたどることで迷子にならず歩いています。
しかし、まれに先頭のアリがぐるりとターンして、行列がドーナツ状になることがあります。こうなると同じところをぐるぐる回り続け、抜け出すことができなくなってしまいます。
この現象は「死の行軍(こうぐん)」と呼ばれ、行列の中心には力尽きたアリの死体の山ができます。
今日はジャングル最強生物、黒い悪魔ことグンタイアリに関する記事を作成しました。グンタイアリは天敵もほとんどおらず、恐ろしい生物です。しかし死の行軍のようなミスも犯してしまうところがあり、なんだか憎めません。
また彼らがいることでジャングルのバランスが保たれていることも忘れてはなりません。弱肉強食の世界を学ぶことができるどうぶつ奇想天外チャンネルには感謝です。
今泉忠明 監修「おもしろい!進化のふしぎ やっぱりざんねんないきもの事典」
今泉忠明 監修「おもしろい!進化のふしぎ さらにざんねんないきもの事典」