北極や南極など極寒地域に暮らすいきものの体の特徴や特技を紹介します。本日紹介する動物はペンギン、ホッキョクギツネ、セイウチの三匹です。
ホッキョクギツネ以外の二匹は水族館でもなじみがあるかと思います。かわいい動物たちの厳しい環境を生き抜く工夫を紹介します。
名前:アデリーペンギン
分類:鳥類
生息地:南極とその周辺
大きさ:全長75cm
特徴:肉食性でオキアミや魚を食べるペンギンです。
アデリーペンギンは「コロニー」と呼ばれる大集団を形成して子育てを行っています。コロニーの数は多い時には150万羽に達します。神戸市や京都市ほどの人口規模です。壮観。
卵を最初に温めるのはオスの仕事で、その間メスは食べ物を探しに海へと出かけます。
しかし海には、ヒョウアザラシなど彼女たちを狙う敵がいるため、襲われる危険性があります。そのためペンギンたちはなかなか海に飛び込みません。では、どうするのでしょうか。
「どうぞどうぞ」と先を譲り合った末に一羽が海に落とされるのです。一羽を先に海へ送り、”生贄”にささげることで安全確認を行います。ペンギンの世界は世知辛いです。
名前:ホッキョクギツネ
分類:哺乳類
生息地:北極圏のツンドラ
大きさ:全長55cm
特徴:冬毛は白く、夏毛は茶色っぽくなるキツネです。旭山動物園で会うことができるようですよ。
旭川市旭山動物園HP https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/facilityinformation/d055100.html
極寒の地で暮らすホッキョクギツネはどのように寒さから身を守っているのでしょうか。
ホッキョクギツネは他のキツネに比べて鼻や耳が短く、体の熱が外に逃げにくくなっています。またフサフサの尻尾が布団のように体を包み込み温めることができます。
これに加えて、全身の毛は外側は硬くて長く、内側は柔らかく短い毛となっています。ダブルコートが厳しい寒さや吹雪から体を守っています。
このような最強装備を持つホッキョクギツネは寒さに鈍感な一面があります。-70℃でも行動することができ、-80℃にも耐えることができるといいます。
ここまで寒いと突然、凍死してしまわないか心配になってしまいます。
名前:セイウチ
分類:哺乳類
生息地:北極海周辺の氷上、海岸
大きさ:全長3m
特徴:脂肪の厚さは5cm。これによって寒さから身を守っています。
北極の海で暮らすセイウチは寝るのが大好きです。数匹から数十匹が、おり重なるようにして眠ります。氷の上でも体が冷えにくくするための工夫です。
ただしセイウチの体重は約1トンと言われます。そのため何匹も集まると氷が割れて、海に落ちてしまうこともあるようです。
そこでセイウチたちは首(食道)の周りにある袋を浮き輪のように膨らませます。これで海に落ちてしまっても常に頭が水の上に出るようにしています。
こうして溺れずに眠り続けることができます。彼らの眠りに対するこだわりを私もすこし見習いたいです。
北極や南極の寒い地域に暮らす生き物たちを三匹紹介しました。厳しい環境を生き抜く生き物たちの体の仕組みにはいつも感心させられます。
自分も社会の荒波を超えていけるようなそんな体に進化していきたいです。
今泉忠明 監修 「おもしろい!進化のふしぎ さらにざんねんないきもの事典」